落語 「道灌」 柳家小さん



あらすじ

隠居のところへ遊びにやってきた八五郎が、張りまぜの屏風などの絵を見ながらいろいろなことを教わった。そのなかに、太田道灌が狩りの途中で村雨に遭い、雨具を借りようと一軒のあばら家に立ち寄ったところ、十五歳あまりの少女が、お盆の上に山吹の枝を乗せ「お恥ずかしゅうございます」と差し出している絵があった。道灌が何がなんだかわからないでいると、ご家来のひとりが「“七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき”という古歌がありますが“実”と“蓑”をかけて『雨具がございません』とのお断りでございましょう」と申し上げた。これを聞いた道灌は「ああ、予はまだ歌道に暗いのう」と嘆いて歌の道に励み、のちには立派な歌人になられた。

隠居にこう説明された八五郎は「うちにもよく雨具を借りにくる奴がいるが、ひとつその歌で追っ払ってやろう」と思いつき、その歌を隠居にカナで書いてもらって家へと帰ってきた。とたんにうまいこと雨が降り出したと思ったら、さっそく友達が飛び込んできた。「もう雨具を借りにきやがった」と喜んだものの、しっかり雨具は持っており「提灯を貸してほしい」とのことだった。これには八五郎も拍子抜け。しかし「雨具を貸してくださいといやァ提灯を貸してやらァ」と頑張った。しょうがないので「雨具を貸してくれ」と友達がいったのをきっかけに、しなを作った八五郎が「お恥ずかしい」と隠居に書いてもらった和歌を差し出した。それを見た友達が「ナナヘヤエハナハサケドモヤマブシノ、ミソヒトダルトナベトカマシキ」とシドロモドロ、なんのことやらわからない。「なんだい、こりゃァ。都々逸か?」「都々逸ゥ?おめえ、よっぽど歌道が暗ェなァ」「だから提灯借りにきた」

コメント

このブログの人気の投稿

FORUM 246 タレパンダあり!

ミレーの落穂拾いを見た!

伊勢原の地酒